海業志向は楽しいかも

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ジャンル:
Sid Meier's Game
シリーズ:
Civ3プレイ日記
種類:
読みもの
最終更新:
2003年11月13日 00時37分
シリアル:
2003-11-12-02

購入から数日たったというのに征服シナリオにはまったく手を触れないまま、皇帝・攻撃度標準の大ゲームを数回作成しては途中で投げ出しております。群島・小大陸マップで海業志向 (seafaring) に当たると面白いなあ。さながら海の拡張志向といったところなのだけど、微妙に方向性が違う。拡張志向のように斥候でお菓子の家を回収してまわれないかわりに、探検と外交を組み合わせた新しい戦略が生まれている。

まず、海業志向は開始地点が海岸沿いになりやすい。また、海岸沿いに建設した都市では、都市スクエアからの商業収入にボーナスがある。C3Cではアルファベットでコラクル船 (Curragh) という斥候船が生産できるようになっており、海業志向の文明(の多く?)は初期時点でアルファベットを保有している。コラクル船のステータスは 1.1.2 だが、海業志向は船の移動力に+1ボーナスがあるので実質 1.1.3 で、これは輸送能力を持たないほかは通常文明のガレー船と能力的な差がない。これらの特長によって次のような利点が産み出されている。

  1. 海岸船沿いをすばやく探索することで地形の概観と資源の位置を早期に知り得る
  2. AI文明同士が交流を持つ前にいち早く接触できる
  3. 海岸線を選んで都市を建設すれば、序盤から科学や経済をAI文明とほぼ遜色ないレベルまでもってゆくことも不可能ではない

接触の仲介が活版印刷 (Printing Press) まで持ち越されたこともあって、大陸が分断されたマップでは、AI文明のなかに古代中期〜中世序盤ごろまで交流を持たないものがあるのも稀ではない。そうでなくても海業志向ではほかの文明に先駈けて交流を持つことができる。これを利用して技術を右から左に流し、金銭をたくわえて科学研究率を100%まで高め、技術研究一番乗りを狙う。研究を終えた技術は当然ばらまいて次に備えなくてはならないのだが、ここで技術の研究順が問題になる。

上で述べたように、海業志向の多くは初期技術としてアルファベットを保有している。ここで最初の研究対象を選択するとき、投資率を100%にしても研究ターンが最大の50から変わらないものを選んだほうが、財政的には有利になる。このような技術は、科学投資率を最低の10%(超序盤は20%)まで落としても、研究ターン数が50のまま変わらないからだ。そこで最初の研究対象技術は当然のように筆記 (Writing) になるのだが、問題はその次に研究する技術だ。

素Civ3/PtWの場合、筆記ルートを選択した場合の定石は 筆記→文学 だった。アレクサンドリア図書館の建設を狙い、うまくゲットできたら必要最小限の技術だけ研究してすばやく中世入りし、残りを大図書館で回収するか、科学投資率を0%まで落として財政を潤し、その分を軍事に回すのが一般的ではなかったろうか。ところがC3Cの海業志向では、文学→大図書館ルートがあまりうまくない。文学は中世入りに必要ない任意技術で、しかもマップの配置がうまくはまった場合、海業志向はこの時点で技術のトップを走っているからだ。

「ほぼ遜色ないレベル」と言っても、古代・皇帝レベルという条件では、やはり研究速度はAIに利がある。AIに追いつくには技術ばらまきによる経済ブーストが必至だが、文学→大図書館ルートだと、AIの不思議建造をブロックする必要上、よほど前もって準備を整えておかないかぎり、技術ばらまきができなくなってしまう。

だが、この間に技術差をつめられて追い抜かされてしまうと、どうしても海業志向のうまみが少なくなる。科学研究率を最大まで上げた場合でもAIが先に研究を終えてしまうのでばらまきができず、かと言って大図書館の恩恵が得られるほど差もつかず、一方財源も圧迫されるので技術を購入することもできなくなるからだ。このやり方だと、中世初期までにはAIに完全に立場を逆転されてじり貧になってしまう。文学→大図書館ルートを取る場合、大図書館の建設前後には軍事ルートに転身できる準備を整えておくべきだろう。言い換えると、軍事ルートに方針転換できない場合はこのルートを取るべきではない。

では、技術でトップを走りつづけるにはなにを開発すればよいのか? ここで光るのがC3Cで復活した哲学の無料技術ボーナスだ。哲学は筆記から1ホップで開発できるうえ、中世に進むための必須技術でもある。筆記開発前後は技術の横流しの恩恵がいちばん大きな時期なので、海業志向の特性が図に当たれば、これを最初に開発するのは難しくない。無料技術一つぶん差をつけておけば、AI に負けない速度で中世入りできるはずだ。

無料で入手する技術は、AIが研究しにくい深いブランチのものを選ぶのもよいが、海業志向ならば地図を選んでおきたい。ファロス灯台のボーナスは海業志向にとって大きいし、ガレー船は輸送能力を持つので、別の陸地に植民が可能になるからだ。あとでもう一度述べるが、多大陸マップでの別の陸地への植民は、C3Cでは重要性を増している可能性がある。

中世入りしてから開発するのは 一神教→神学 ルートが優れている。発明→火薬 ルートに入るには、まず封建制と工学の二つを研究する必要があり、この間にAIに差をつめられてしまう。また、火薬以降の分岐が少ないのもよくない。このルートだと大学が建設できるようになるまで長くかかるので、AIに途中で先を越される可能性が大きくなる。対照的に、一神教→神学 ルートでは大学を早めに建設でき、またツリーに枝葉が多いので、AIが研究していない技術を先に入手できる──すなわちばらまきできる──確率もおおきい。このブランチには天文学・航海術・物理学と、科学先行の海業志向の命運にかかわる技術がつまっている。

余談だが、教育を早めに研究するという条件を立てると、教育で効果が無効になる大図書館の価値は低まる。これも科学先行戦略を取る場合に大図書館を建設すべきでない理由のひとつとなる。

新世界入植の必要性が高まっている?

多くのプレイヤーがすでに経験から察しているように、Civ3では、ランダムマップと言ってもその構造は完全なランダムではない。たとえば贅沢品はマップ全体に均等にはばらまかれず、多くの場合限定的な地域に密集している。これはゲーム内での交易の重要性を高め、贅沢品の一大産地をめぐる争いを誘発する。重要な資源はたいてい文明と文明の間に置かれており、これも領土拡大レースと土地をめぐる戦争をよりスリリングなものにして、ゲーム内の計画性と戦略性の地位を高めている。多大陸マップでは、プレイヤーの所属する大陸に、ほかの大陸(群)よりも多くの文明が配置されている場合が多い。プレイヤーが戦闘を繰り返している間に、別の大陸ではAI文明が安穏として拡大を続け、プレイヤーがひとつの大陸を制覇したころには、それに拮抗する一大勢力に成長している。Civ3 では、プレイヤーが挑戦的なゲームを遊べるようにマップが設計されていると言ってよい。

C3Cでは、このマップ生成アルゴリズムにさらに挑戦的な要素が加わっている可能性がある。ついさっきまでプレイしていた(そして負けモードになって投げ出した)マップでは、プレイヤーの所属する大陸に文明が6つ、もうひとつの大陸に文明が2つ配置されていた。プレイヤーの所属しない大陸のほうがサイズが大きく、さらに特筆すべきことに、戦略資源の分布がおおきく偏っていた。

プレイヤーの所属する大陸には、文明が6つも配置されているのにもかかわらず、鉄資源を保有している文明は中世中盤になってもひとつだけだった。一方、もうひとつの大陸には、──探検済みになっているのは海岸線だけであるにも関わらず──、3つから4つの鉄の姿が見えた。別の大陸はプレイヤーの発生地点に近く、大陸間は5〜7スクエアしか離れていなかった。海業志向文明なら問題なく乗り越えられる距離だ。

これは現時点ではただの想定にすぎないが、このマップで海業志向のプレイヤーに求められていたのは、すみやかにガレー船を生産して別の大陸に入植し、新大陸の資源を保護しながら本国での戦いを有利に進めることではなかったか。もしこの想定が正しければ、C3Cはマップの構造においても新たな戦略性を導入していることになる。

僕のスペイン文明はこれに気付くのが遅れたばかりに旧大陸上で鉄資源を探しまわって戦機を逸し、生産できる攻撃ユニットに差がなくなった状態でAIに数で上回れてしまったとしたら、これはかなり悔しいのだけど……。本当のところはどうなのでしょう。あれはただの偶然だったのでしょうか。プレイ経験を積むうちにどちらが真実か判明する日も来るのでしょう。その日がとても待ち遠しい。