Soren JohnsonのGDCスライド公開

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【こんなのどうでしょう?】ファー クライ 2 特典 特製攻略マップ付き
ジャンル:
Sid Meier's Game, Big Huge Games
シリーズ:
Civilization IV/Civ4情報
種類:
その他
最終更新:
2004年06月21日 20時05分
シリアル:
2004-06-20-01
(2004年6月20日)

Game Developers Conference (GDC) のWebサイトにて、今年のGDCでFiraxisのSoren Johnsonが"How to maintain a Successful Franchise"という講演をおこなったときに使用したスライドが公開されています。ファイルはパワーポイント形式。マイクロソフトのWebサイトからビューアがダウンロードできます。

スライドはシリーズものの続編をいかに成功させるかを解説したもので、2003年の売上トップ10のほとんどを続編が占めていることを示し、続編リリースまでの期間の長さと革新的な要素をゲームプレイと技術のどちらに置くかで作品を分類し、AoKのじゃんけんモデルからAoMにいたるシステムの変化をケーススタディとしてあげたあとにCivシリーズの話に入ります。

Civシリーズとして挙げられるのはCiv1, Civ2, SMAC, Civ3の4作品。Civ3は「リリースまでのスパンが長く、ゲームプレイに重点を置いた」作品に分類されます。Civ3から得られたシリーズものの教訓は次のとおり。

  • あたらしい血を入れる
    • デザインの責任を交代させる
    • チームの疲労を抑える
    • あたらしいファンの代理としてのあたらしい視点
  • 重点を決める
    • シングルプレイ・ランダムマップを向上させる(世界生成・人工知能・柔軟な外交・ごほうび画面)
  • 「楽しくない」要素を削る
    • ユニットをさえぎる "Zone of Control"
    • 議会がプレイヤーの決定を無効にする
    • 支出の制限
  • 単純化・単純化・単純化
    • 「計測可能」な耐久力
    • 交易ルートの自動化
    • 全体でのユニット維持
  • 目玉機能の追加
    • 文化が国境を定める
    • 戦略資源(戦車兵は馬を必要とする)
    • 贅沢品が幸福をもたらす
  • 競争相手からの「借用」
    • 特徴を持った文明(固有ユニットと固有能力)
    • 複数ユニットからなる部隊(軍隊)
  • 原点回帰
    • Civ1の持っていたユーモアと「魔法」
    • リプレイシステム

また、筋金入りのファンはより多くの複雑性と選択肢を求めるが、これに従うと「マニュアルは太くなり、売上は細くなる」という悪循環に陥ることをフライトシミュレータの世界を例にとって説明し、シリーズものを成功させるにはターゲット層を調節しなければならないと提言しています。スライドではCiv1, Civ2, SMAC, Civ3のファン層が集合として表示されますが、Civ3はCiv1のファン層のすべてとCiv2のファン層の半分程度を取り込んでいるものの、SMACのファン層とはほとんど重なっていません。また、シリーズごとのユニット数・施設数・技術数をグラフにして、数を増やすのがつねによいとは限らないことも示します。

そしてSoren Johnsonは「きたるべき最高のCivilization」としてCiv4のコンセプトを紹介。次の要素を例示します。

  • 最新式のインタフェイス/ヘルプ
  • 連続的で没入型 (immersive) な3D世界(見たものにそのまま触れる)
  • 楽しくない伝統的な要素を削る(汚染・暴動・保守費用・汚染/浪費)
  • あたらしい目玉機能(宗教・civics)
  • RPG的要素(ユニットのアップグレード/経験)
  • 最初から書きなおす(マルチプレイやmodに対してより親和的に)
  • それでもやっぱり世界を支配できる

スライドは最後にシリーズものの指針として次の三つをあげて終わります。

  • ターゲット層を変更することを恐れるな
  • なにかを入れたらなにかを外せ
  • Bing Gordonによる"1/3は古いまま、1/3は改良、1/3は新しく"の原則

GDCスライドの秘密のコメント

(2004年6月21日)

Soren JohnsonがGDCで使用したパワーポイント用スライドですが、これにはプレゼンをおこなっている本人が講演しながらチェックするための覚え書きが含まれているそうで、CivFanaticsのフォーラムでKull氏がその内容を引用しています。Civ3の開発サイクルやCiv4の機能に関するメモ。

  1. Mod作成機能

    ファン作成コンテンツ:すべてのゲームデータをxml形式に格納することで、ほとんどすべての要素がハードコードされないよう保証したい。さらに、Pythonをコードベースに組みこむことで、ゲームのアルゴリズムに関するより多くの部分(マップ生成・戦闘・トリガ/イベント・AI等)をmod作成コミュニティがスクリプト変更できるようにしたい。

  2. ゼロから作成するマルチプレイヤー

    マルチプレイヤー:動作可能なマルチプレイシステムはすでに手元にあり、仕事のあとに継続的に4時間以上遊んでいる。

  3. 「公式」のファン要望リストに関係して

    リストは200,000語、約600ページにも及ぶ。ちなみに新約聖書は約175,000語。

  4. Civ3の開発サイクル

    明確な目標を設定することによって、優先順位をつけやすくなり、必要ならばカットも容易になる。Civ3の開発サイクルは非常に困難だった。開発をはじめて約一年後に指導層のすべてを失い、プログラミング部門でもほぼ全員が転職してしまった。ユーザーがもっとも執心する部分を正しく選びだして重点を置くことによってこの製品を守ることができたのだと、私は強く信じている。

最後のコメントはプロジェクト途中でのBrian ReynoldsやTim Trainら要職メンバーの退職と、それに伴うBig Huge Games設立に関連して出てきたものと思われます。日本語版RoN発売直前のBrian Reynoldsのインタビューのコメントから考えると、開発チームのなかでCiv3の方向性に対する対立があり、RoNのベースとなるプロトタイプを支持していたグループがドロップアウトしたと考えても、それほど間違ってはいなさそうです。そうすると、途中で頓挫してしまった「Sidの恐竜プロジェクト」も、SidとCiv3開発チームのあいだに距離を作ってガス抜きしようという意図があったのかもしれません。

そしてFiraxisとBHGそれぞれのプロジェクトの成果物の現状を考えると……。僕はゲームとしてはCiv3のほうがずっと好きなのですけど、RoNも米国では批評家筋から高い評価を得ている作品ではあります。Civ3の開発が進んでいた当時はジャンルとしてのRTSが今よりももっとずっと強くて、「ターン制のゲームは死んだ」とまで言われていたくらいなので、どっこい生きていることを示したCiv3は存在としてすごく偉いと思うのですけど。