Pirates!開発者日記:リアリティは困りもの

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【こんなのどうでしょう?】日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
ジャンル:
Sid Meier's Game
シリーズ:
Sid Meier's Pirates!情報, Pirates!公式サイトから
種類:
データ/資料
最終更新:
2005年11月22日 13時44分
シリアル:
2004-07-15-01

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GameSpotにSid Meier's Piratesの開発者日記の二回目が掲載。Sid Meierとデザインチームがあえてリアリズムを避け、より「空想的」な味わいを追求した理由をJeffrey Briggsが説明しています。

要訳

Pirates!のリメイクを決めてから、我々はさまざまなリサーチをおこなった。海賊に関する歴史的な資料をまとめて読みなおした結果、我々は次のようなことがらをあらためて思い知った。

  1. たいていの海賊の人生はみじめで動物的で、しかもひどく短い。
  2. 多くの海賊はただの殺人者以上のものではなく、一部は明らかに頭がおかしい。
  3. 航海は長くて退屈で居心地が悪く、おまけに危険である。異臭のする肉や腐ったビスケットで何ヵ月も生活しなければならないこともしばしばだ。
  4. 17世紀、抜けのない歯をひとそろい持っている人間など皆無に近かった。

これらの多くはどれもある意味非常に魅力的ではあるが、Pirates!でリアルさよりも楽しさを追求するべき理由をあらためて思い出させてもくれた。Sid Meier's Pirates!が見せるのはより映画的で快活な世界だ。このゲームでは、海賊たちはカモを残虐に殺すことはなく、いつでも女の子を手にいれて、梅毒で死ぬこともない。我々の海賊はヒーローであって、悪役ではないのだ。


実際の海賊は公正な戦いを好まず、栄光のためには戦わない。できるだけ少ないリスクでたくさんの金を稼ごうとするただの海の追いはぎで、弱い相手だけを狙う。もちろん彼らは臆病ではない。とてつもなく勇敢で、必要にかられたとき、または十分な見返りがある場合は、追い詰められた鼠のように戦う。

我々のゲームでは慎重さには酬いがない。いちばん勇気のあるものがおおきな見返りを得る。プレイヤーは獅子の心を持った気高い人物だ。


実際の船は悲しくなるほど不健康な場所で、とくに病気の蔓延する熱帯地方では、疫病その他の疾病によって、およそ数週間で乗組員の半分を失うことも珍しくなかった。壊血病や赤痢があたりまえの死にかたで、しかも海賊は海戦に巻き込まれるたびに死に直面していた。捕虜になればその場で処刑されるか、幸運なら、都市に移送されて裁判を受けたあとで処刑されることになるからだ。

Pirates!で死ぬのはそれよりずっと難しい。伝染病は存在しない。捕虜になった海賊は投獄されて、脱獄するか数ヵ月の刑期をつとめて釈放を待つかのどちらかを選択できる。失敗しても究極の代償を払う必要がないとわかっていれば、プレイヤーは無謀で英雄的な衝動に身をまかせるだろう。


17世紀には、海賊は実際の海賊業よりも、もっと現世的なサバイバル活動に多くの時間を割かれていた。温暖なカリブ海では、船体はすぐに海草とフジツボで覆われ、帆はかびて腐ってしまう。成功に欠かせない速度と機動性を保つには、ひっきりなしに修理と再装備をおこなう必要があったうえに、大型船を傾けて船体をきれいにするには、何ヵ月とはいかくても何週間はかかった。食糧の保存方法も原始的だった。冷蔵庫はもちろんなく、やりかたといえば酢に漬けるか、塩漬けにするか、乾燥させて燻製にするしかなかった。どのやりかたにしても、海に出て数ヵ月もたてば、みな悪臭がするか、カビがはえるか、虫がつくか(あるいは悪臭がしてカビがはえたうえにさらに虫がつくか)しているのが普通だった。

現実世界での最重要事ではあるものの、Sid Meier's Pirates!ではこれらの疎ましい事実を基本的に無視することができる。我々がプレイヤーにしてほしいのはアクション、アドベンチャー、探検や戦闘であって、家事ではないのだ。


この時代は宗教も問題だった。スペインの宗教裁判は17世紀にも生き残っており、カリブ海ではとくに活発だった。当時ヨーロッパはプロテスタントとカトリックに分裂しており、苛烈で終りのないように思える戦いに明け暮れていた。プロテスタントの海賊の手に落ちたカトリック教徒は、即座に殺されるか、拷問され不具にされたのちに殺されただろうし、カトリックの海賊の手に落ちたプロテスタント教徒も、おなじ──あるいはもっと悪い──憂き目にあっただろう。原住民は両方の側から不敬虔な異教徒とみなされており、一部には改宗を試みる人々もいただろうが、他の多くの者にとっては、即座に苦痛に満ちた死を迎えるのが当然の存在だった。

残忍な宗教的対立はある種のゲームにはふさわしいかもしれないが、Pirates!にとってはそうではない。異教徒を火炙りにする海賊にボーナスポイントをあたえるようなことは、ヒーローを扱うゲームにふさわしくない。


なにを入れなにを外すかを考えるとき、我々には大事な質問がふたつあった。それは楽しいだろうか? そして、それは我々のヒーロー的世界にふさわしいだろうか? どちらかの質問に対する答えが「ノー」であったとき、我々はその要素を捨てた。Sid Meier's Pirates!は本質的にいつまでもハイファンタジーのゲームなのだ。リアリズムは、たいてい見かけほど楽しいものではない。おそらくは、人々は現実から逃れられるがゆえにゲームを愛するのだから……。


また、ギャラリーにはあたらしいスクリーンショット6枚が追加されています。

同時代を舞台にし、Pirates!とほぼ同じ題材をよりリアル志向に扱うPort Royale 2と対比してみるのも面白いかもしれません。Port Royale 2はPirates!とほぼ同時期に発売される予定。



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