ufotableが原作・制作のオリジナルテレビアニメ。初回は刑務所に入っていたおっさんが脱獄するところまで。公式サイトにこれからのあらすじがちょろっと書いてありますが、今回そこらへんの話はまったくといいほど出てきません。三つ巴的な組織・キャラクター間の関係がざっと紹介されたくらい。
キャラクターデザインは手の込んだ「濃い」造形。初回だけあって絵は綺麗でした。わりと面白そうですが、まだお話の全景が見えていないせいもあって、どう転ぶのか判断がつきかねるところはあります。(ufotableはフタコイ・オルタナティブの初回ですごく期待させておいてあとが続かなかった前科があるし) 名前だけ聞くと多分にセルフパロっぽい「12姉妹」さんたちは、血しぶきを飛ばしたり怪我人を躊躇なく撃ち殺したりとなかなかの残虐ぶりでした。月の名前があとのほうになると同じ外見の三つ子になっちゃうのは、制作者のネタが尽きてしまったからでしょうか(いや、もちろんアンドロイドの制作者の)。
あにかん:『コヨーテ ラグタイムショー』#2──「海賊亭の少女」
(2006年7月11日)- 年増女刑事さんは濃いよなあ。唇が厚いのがババアエロスって感じでよろしいですが
- おっさんの乱闘シーンは嬉しくない
- このアニメの咎ではありませんが、海賊話でハーモニカが出てくると、もう否応なくピューと吹くクレオさんの姿が頭をちらついて困ります
- この子は海賊が嫌いなら、なんで海賊の経営する海賊の酒場で店長なんてやってたんでしょう
うーん。ところどころに細かく引っかかる部分があって、ノリノリでは見られなかったです。もうちょっと様子見。
あにかん:『コヨーテ ラグタイムショー』#3──「右腕と呼ばれた男」
(2006年7月19日)絵面を洋ものっぽく「濃い」感じにして、声優も洋画の吹き替えをしているような人を連れてくれば、日本でも、アニメでもハリウッドみたいなアクションができるのか──と訊かれると、どうもそうではないらしい、というのが、アニメ版BLACK LAGOONやこれを観たあとでの感想です。それも視聴者の側の素養というよりは、お話を創る側の問題なのだろうと。カウボーイ・ビバップは、こういう系統のアニメでは成功作と言っていいと思うのですけど、あれは外側を洋風に飾ってあるだけで、話の中身は宇宙を舞台にした浪花節の任侠ものだったですよね。なにもかも洋モノを模倣するんじゃなくて、そういう潔い割り切りみたいなものが必要なんじゃないか、と思うわけです。
もったいぶった見せかたと、キャラクターの行動や台詞の陳腐さ・平凡さとの落差が楽しくありません。変に格好つけないで、馬鹿は馬鹿らしく馬鹿やってればいいのになあ。
あにかん:『コヨーテラグタイムショー』#4──「過ぎ去りし日々」
(2006年7月26日)爽快感があるでもないし、スタイリッシュでもないし、謎解きの快感があるでもないし。ただ他人の行動を追いかけて見せられている、という印象が強くて、「スッゲェ!」とか言われてもあんまり凄い気がしないのです。温度差があるというか、ピンと来ない。むしろ騙された社員さんたちが可哀想、とか思っちゃう。
ミスターの狙いって結局お金なんですか? これから二転三転あるのかなーとも思うのですけど、散々カッコつけておいて狙いがお金ってのはなんかがっくり来るなあ。
あにかん:『コヨーテラグタイムショー』#6──「激闘」
(2006年8月12日)こないだファミリー劇場で未来少年コナンの一挙放送を観てしみじみと認識をあらたにしたのですけど、「囚われの女の子がどのように行動するか」に関して、ラナは本当に理想的と言っていいキャラクターですね。賢くて一本芯が通っていて、観るたびに感心してしまう。だから大塚康生によっていくら不細工に描かれようとも、ラナはしっかりと魅力的だったのです。
対して、捕まったときに「やだ! 放してよ!」と言って暴れる程度のステレオタイプな反応しかできない女の子は、その時点でヒロインの資格を失っているんじゃないかな。せめて「放して。ひとりで歩けます」と毅然と言ってのけるくらいの度胸は見せてほしい。脱出の時に頭を使っている描写はあるのですけど、あそこは見せかたが上手くないし。「神は細部に宿る」という言葉がありますけど、一本筋が通ったキャラクターを見せるための最良の手段は、「コヨーテは家族を見捨てない」みたいなここ一番の決め台詞ではなくて、類型を使って流してしまいがちな些末な部分にこそあるのだろう、と思った次第です。
- なんで戦闘機とか下っぱとか使うのかなあ。飛行機械も宇宙服も無しで12姉妹が空を飛んで攻撃するほうが画面的にもハッタリがきいて面白いと思うのだけど
- アンドロイドが仇とか言ってもなあ
- あっという間に連れ戻し過ぎだろう。結局女の子の側の機転だから、ミスターの行動にあんまり意味無いし
戦闘に爽快感が無いし、見せかたにも工夫がないのが弱いです。初回の大食い描写の対比をを見たときにもちらっと思ったのですけど、女刑事さんとミスターは血縁なんでしょーかね?
あにかん:『コヨーテラグタイムショー』#7──「反逆のマルチアーノ」
(2006年8月16日)昔HOMEWORLDというSF系RTSをプレイしたときには、いくら戦闘機の群れで攻撃をしかけても平然と航行をつづける巨大宇宙戦艦の姿にいたく感心したものですが……。象に群がるカトンボの一団もかくやという感じで。大型艦がこんなにポコポコ簡単に沈んじゃうのは、アニメ的な演出としてもちょっと興ざめだなあ。
- 偶然だのみか……。嘘でもいいから乗組員には景気のいいこと言っとけばいいのに
- マルチアーノさんも結局愛だの恋だのの路線に行ってしまうのじゃろか
- 処刑役のひとが家族云々突っ込まれて動揺しちゃいけないと思うなあ。まあ小物ってことなんでしょうけど
- なんちゅう脆い船だ
あにかん:『コヨーテラグタイムショー』#9──「ジュピター」
(2006年9月6日)光子爆弾の正体とか、真実が闇に葬られて事態が悪化するプロセスとか、ところどころ面白かったです。10〜12月も可愛らしかったし。ビショップとアフロのおじさんのやり取りが寒々しくて聞いてられないとか、女刑事と首だけ人形の関係がダチかぶりすぎだろとか、文句を言いたいところもいっぱいあったですけど。
『コヨーテ ラグタイムショー』#11・#12
(2006年9月25日)破壊寸前の惑星にわざわざやってきて大金庫に入ったと思いきや、はじまったのがホームムービーだったのには心底がっくり来たのですけど、考えてみると、このホームムービーは、コヨーテ ラグタイムショー全体の作品性をみごとに象徴している気がします。視聴者にとってどうでもいい人たちがどうでもいいことをやっている姿を延々見させられた、という意味で。
これが箸にも棒にも引っかからない作品であれば、端から見ないという選択肢を取れば良いだけの話なのですが、ufotableの場合、始まった段階では作品のクオリティがそこそこ高く、オタク系視聴者にアピールする要素がちりばめられているように見えるのが罪作りなところです。コヨーテ ラグタイムショーは、材料選びの段階ではほんと1流と言っていいと思う。ただ、ufotableは、料理の仕方がビックリするくらい3流なんですね。11話・12話でも、「なんでこれを全部台詞で説明しちゃうんだろう」と、何度も唖然としました。12話やって視聴者の印象に残ったのは、たぶん最初はいらない子扱いされていた十二姉妹だけじゃないかな。あとは見るべき部分が本当に無かった。
おそらく、同じ基本設定で1回1エピソードにして、罪のないどたばた泥棒コメディをやっていたほうが、視聴者からの評価はずっと高かっただろうと思います。住めば都のコスモス荘のufotableには、むしろこちらの路線のほうが望まれていたのではないかと思えてなりません。視聴者を拘束する時間が短いという一点でもって、ルパン三世のTVスペシャルの方がまだこの作品より優れているという印象でした。