翻訳メモ:non-linearとopen-ended

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ジャンル:
Diary
シリーズ:
ほんやくメモ
種類:
読みもの
最終更新:
2007年02月05日 13時07分
シリアル:
2006-12-06-04

"Linear"を英和辞書を引くと、「線の」「直線の」「線型の」という訳語が出てくる。ゲーム関係の話題で出てきた場合は、迷わずに「一本道の」と訳すのがお約束だ。(すくなくとも僕の中では)

しかし、頭に接頭辞が追加されて、"non-linear"となった場合は、すこし判断に迷う。"Linear"との対応を考えると、「一本道でない」と訳すのが、ゲームの分野ではもっとも汎用的ではある。しかし、アドベンチャーのような選択式のゲームでは、「分岐式の」「分岐がある」と表現したほうが実情にあっている。また、はっきりした選択肢が提示されず、さまざまな条件が結びついて結果が導かれる種類のゲームでは、「非線型」と訳したほうが、多様さと複雑さをうまく表現できるように思う。

ゲームの分野には、"non-linear"と同種の文脈でひんぱんに用いられる、"open-end"または"open-ended"という単語があるが、これも微妙に扱いに困る。辞書を引くと「限度[範囲]を設定しない,開放型の」「《時間・人数などの》制限なしの〈討議など〉,全面的な〈軍事介入〉」という訳語が載っている。ゲームにおける"open-ended"とは、ゲームの開始時点を起点として、選択肢が扇状もしくは放射状に広がり、一点に収束せず、複数の終点を持つか、決まった終点を持たない世界を言うのだが(その意味では、"non-linear"よりもスケールが大きく、想像力を喚起する言葉と言える)、上の訳語は、この語が持つ広がりと自由性を残したままにゲーム的な文脈で用いるには、どれも日本語としてこなれていないように思える。

しかたなく、「自由で広がりがある」のように意味を補完して訳すか、ゲームの世界ではわりと一般的な言葉だからと、そのまま「オープンエンド」とカタカナにしてお茶を濁すことが多い。なにかコンパクトでぴったり来る訳語はないものだろうか。