DSのエコシステムと閉宇宙

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ジャンル:
Akihabara, Diary, Game
シリーズ:
いろんなものをレビューするよ
種類:
読みもの
最終更新:
2007年04月11日 21時07分
シリアル:
2007-04-06-05

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  • 任天堂(2006-03-02)
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昨日のつづきでDS Liteの話。あのあと秋葉原に行って、また新しくソフトを買ってきました。

いろんなお店を巡っているうちに気付いたんだけど、DSのエコシステムって面白い。まずソフトの単価が安い。ほとんど5,000円以下で、2,000円台のタイトルもけっこうある。そんでもって、新品と中古品の価格にあまり差がない。

ポケットモンスター ダイヤモンド/パールは、わりと中古市場に数が流れているせいか、新品と中古の価格差が1,000円程度あったけど、どうぶつの森は、ダイヤモンド/パールより1年近く前に発売されたタイトルであるにもかかわらず、価格差が500円以下だったりする。これはどうぶつの森に限った話じゃなくて、新品と中古品の差額が200〜300円程度というタイトルが結構ある。

差額が少ないのには、ソフトの元々の単価が安いからという理由があるはずだから、これはDS特有というより、コンシューマのエコシステムに一般的な傾向だと思うんだけど、それにしても差がない。中古市場への供給に対して需要が大きい、と言うことなんだろうけど、ただ単に需要がものすごく大きいのか、それともDSのソフトには中古市場への流出を抑えるなんらかの力学があるのか。

飽きずに長くプレイできるソフトが多いというのが、たぶん一番順当な理由なんだろうけど、DSのソフトには、カートリッジ内にユーザーのデータを保存するソフトが多く、データを初期化する機能が備わっていないものがあることも影響しているのかもしれない。ユーザーはそのカートリッジの個体に愛着を持つし、売ると個人情報が流出するみたいでためらいがある

追記(2007-4-6)

メニューにデータ消去の項目がないゲームでも、特殊な操作をするとデータを初期化できるのね。マニュアルを読んでようやく気がつきました。

ほかにも、カートリッジが物理的に小さい→たくさんあっても邪魔になりにくい→売られにくい、とか、DSが開拓したあたらしいユーザー層は、中古市場に物を売ることにあまり慣れていない層なのかも、とかいろいろ考える。

えーと、話を戻して、買ったのはこの3本。単価が安いとたくさんゲームが買えるのが、ごく単純に嬉しい。ただ、アソビ大全は、家に帰ってきた直後に、Wi-Fiに対応した世界の誰でもアソビ大全が4月に出ることを知って絶望しました。世界の誰でも〜は、アソビ大全よりグラフィックがスマートな(というか、大人っぽい)のが良さげなので、アソビ大全をプレイしてみて面白かったら、たぶん買い換えます。

で、三本ともかわるがわるプレイしてしみじみ思ったんだけど、携帯ゲーム機ってこんなに危険なものだったのか! Sid MeierのCivilizationは、世界中の多くの大人の時間を奪って社会の生産性を引き下げたと、たまに冗談混じりに言われるけど、任天堂はこのデバイスで世界中の子供の時間をどれくらい奪ったんだろう。これは恐ろしい機械だ。

DSの恐ろしさは、プレイヤーと画面との距離にある。テレビに接続して使用するコンシューマ機やモニターを眺めてプレイするPCゲームでは、通常、プレイヤーと画面のあいだにそれなりの距離がある。だから、ゲームをするプレイヤーの視界には、プレイヤーとテレビ/モニターのあいだの物体や、テレビ/モニターの周囲の光景が、それと意識しなくても入っている。

だけどDSのような携帯機はそうじゃない。プレイヤーの頭と、プレイヤーが腕に持ったデバイスが、ひとつの宇宙のようにそこで完結して、ほかの物事が目に入らなくなってしまう。モニターの縁に貼った付箋や、周りに置いてある宿題や書類がふと目に入って、あああれやらなくっちゃと我に返ることも無ければ、お母さんの操る掃除機のノズルがこれ見よがしに前を横切ることもなく、純真を装った猫がリセットボタンに肉球を伸ばすこともない。

まあ、猫はこっちがDSしていようがなにしてようが、お構いなしに膝に登ってちょっかいかけてくる気がしますけど、ともかく遊んでいると、世界はDSと俺だけ、という気分になるくらい没入してしまう。そして、仕事の合間にちょっと息抜きするだけだったはずなのに、気がつくと一時間以上が経過している。怖い。すごいデバイスだ。

僕はゲーム害悪論なんかてんで信じていない人間だけど、多感な世代の子供がこんな面白いものにはやくから没入してしまったら、世の中にたくさんあるほかの面白いものに出会わずに過ごしてしまうのではないかと、そのことはちょっと心配になる。ゲームは一日一時間までという標語の復活が今こそ求められているのかもしれない。

ただ、DSをはじめとする最近の携帯ゲーム機の面白い、そしておそらく救いになっているところは、無線による通信に対応しているところですね。これがあるから、世界はDSとオレだけで完結せず、DSの向こう側にほかの人々がいることを体感できる。ゲームをインセンティブにした空間やオンラインのコミュニティなんて、良い事ばかりの場所なんかじゃ全然ないけど、とにかくそこには社会的な繋がりがある。こういう、閉じた世界で終わらないようにしているところは、デザインとしてさすがだと思います。



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