- ジャンル:
- Sid Meier's Game
- シリーズ:
- Civilization IV/Civ4情報
- 種類:
- データ/資料
- 最終更新:
- 2007年04月13日 00時14分
- シリアル:
- 2007-04-12-05
FiraxisのWebサイトに、3月末にアナウンスされたCiv4二本目の拡張パック、Sid Meier's Civilization IV: Beyond The Swordの開発の舞台裏を紹介する記事2本が掲載されました。
さっきのきたるべき世界につづく2本目、Art From Concept to Completionの記事を翻訳します。
アート──コンセプトから完成へ
我々の才気あふれるコンセプトアーティストにしてモデラーのひとりであるMike Batesが、Civilization IV: Beyond the Swordの骨の折れる(しかし楽しい)アート制作プロセスを紹介すると、こころよく承諾してくれました(えー、つまり、無理矢理書かせました)。
我々のゲームにおけるアート物件の開発サイクルは、ゲームデザイナーの創作プロセスと共に始まる。デザイナーは、ゲーム上における目的や機能と照らし合わせて、グラフィックに描かれる「もの」の基本的な特質を決める。これはたいてい、初期段階では、具体的な定義と言うよりも、だいたいのアイディアと呼ぶほうが近い。このガイドラインに沿って、アーティストは基本線を押さえたラフなコンセプト画を何枚も描き、さまざまな方向へ膨らませてゆく。経験的に言うと、たくさんラフを描いてからピンと来たものを選ぶほうが、ひとつのアイディアを洗練させてゆくよりもうまくゆく。
そのなかから、デザイナーが要求に一番あったコンセプト画を選び、アーティストは選ばれた絵にさらに改良を加えてゆく。アーティストとデザイナーは、最終的なコンセプトが定まるまで、非常に密接に関わりあう。この作業には大量の試行錯誤がつきものだ。すべてのコンセプトが完成したところで、ゲーム内の実際のアート物件の制作がようやく開始される。モデラーが完成済みコンセプト画から、ゲームから呼び出される物件をつくりあげる段階だ。完成した物件は、ゲーム世界に配置されて、機能性、パフォーマンスや見かけに関して、関係者全員からチェックを受ける。フィードバックを受けては微調整し、また再評価の繰り返しだ。制作サイクルの効率から、物件に対する大型の変更はたいてい制作段階の初期におこなわれ、小さな変更は最後に回される。いちばん最後の仕事は、締切り一週間前のオーバーホールだ。
紙と鉛筆か、スタイラスとタブレットか? コンセプト作業の時は、私は紙と鉛筆より、タブレットとスタイラスを好んで使う。Photoshopやほかの2Dアートプログラムを使えば、スケール変更や歪み処理、ブラシスタイルの変更などが可能なので、伝統的なやり方よりかなり便利だからだ。また、最終的なコンセプト画はカラーなので、デジタル彩色にシームレスに移行できる点も見逃せない。鉛筆で描いた絵の縮尺を変更しようとしたり、水彩で描いた絵の色を変えようとしたことのある人なら知っているだろうが、これは大量の消しカスと涙とフラストレーション無しにはこなせない作業だ。

Civilization IV: Beyond The Sword用に描いてくれと頼まれたもののうち、もっとも興味深いコンセプト画は、(宇宙勝利の結果である)あたらしい宇宙船のデザインだった。これは地上発射式であり、隣の太陽系まで数百の乗員(と、その他もろもろ)を運ぶ能力を備えた、非常に大型の乗り物であるのが要件だった。このような場合、ちょっとしたリサーチが大いに役立つ。宇宙船、乗り物や建物のような、既存の技術に立脚したコンセプトをリサーチするのはかなり簡単だ。私は現代の宇宙船のデザインや技術を調査し、未来的にはどうなるだろうと思い描いてみた。リサーチで学んだ事柄は、宇宙船の外見をもっともらしいものとするのに役立った。地上発射式ロケットの要件は、空気力学的に優れた特性を持つことと、大気圏を離脱するために、とてつもなく強力なエンジンを必要とする点にある。宇宙で製造されて宇宙のみを航行するなら、レンガのような形状でかまわない。私はこれだと思うラフスケッチを3枚提出し、1枚が選ばれた。そこから、私は、プレイヤーが宇宙船の建設進展度合い(最初は骨組みから始まる)と、あとなにが必要かを確かめることのできる、ゲーム内の宇宙船建設画面のモックアップの制作を開始した。ここでも、私は宇宙船の骨組みに関して、現在の航空機体のデザインを流用した。おかげで、非常に現実味のある、未来的でどデカい宇宙船をつくることができた。

私はよく、Firaxisで働くのはどういう気分だと尋ねられる。ひとつだけ確かなのは、退屈な瞬間などひとつもないということだ。我々のゲームのコンテンツは多岐にわたるので、ある日宇宙ステーションを作ったかと思えば、次の日には笠をデザインしている。多様性は健康にも良い──ものごとを楽しく、興味深いものにしてくれる。
我々はBeyond the Swordで、Civ4のコンテンツの範囲を、じつに大きく拡張した。これは我々がいままでCiv用に制作したなかで最大の拡張パックだ。私が制作したクールなユニットの一部は、近未来を舞台としたシナリオに登場する。核兵器やメカ (mechs), 弩級戦車 (dreadnought tanks) を制作するのは、じつにやりがいがあって楽しい作業だった。
私の仕事でもっとも得るものの多い部分は、元々のデザインにあるコンセプトを掴み出し、モデラーやアニメーター、プログラマーのチームと一体になって、ゲームにとって視覚的に説得力のある要素に実体化させるところだ。これはアーティストにとって夢のような仕事だ。
参考
- Firaxis.com
- FiraxisのBeyond The Sword製品情報ページ
- FiraxisのBehind The Scenes:
- 2K GamesのBeyond The Sword公式サイト
- Beyond The Swordの舞台裏:きたるべき世界 (2007/4/12)
- Civ4の新拡張パック、"Beyond the Sword"が発表 (2007/3/29)