ThinkPad T60: Symantec製品のよくわからなさ

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【こんなのどうでしょう?】モンスター ハンティング グリップ(PSP-2000専用)
ジャンル:
Akihabara, Diary
シリーズ:
いろんなものをレビューするよ
種類:
読みもの
最終更新:
2007年02月04日 22時20分
シリアル:
2007-01-13-04

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ThinkPad T60 262325Iには、ウィルススキャナ/ファイアウォールとして、Symantec Client Securityという製品がプレインストールされており、90日間の無料ウィルス定義購読サービスが付属している。

いつもかりかり五月蝿いSymantec AntiVirusはともかく、ファイアウォールであるSymantec Client Fireallは、マシンのIPアドレスに応じて場所を判断し、許可/遮断するアプリケーションやIPアドレスを調整できる機能や、通信状況を数値とグラフでリアルタイムに表示する機能があって、わりあい使い良い。

で、ちょっと興味を持って、このウィルス定期講読サービスを延長するにはどうしたら良いのかを調べてみたのだが、これが長い混乱の始まりだった。

Symantecのサイトへアクセス

Symantec AntiVirusの[表示]→[ライセンス]の項には、

Symantec AntiVirusやSymantec Client Securityのライセンスは製品コンテンツのみです。ライセンスを更新するには、システム管理者に連絡するか下のリンクをクリックすることによってシマンテック社のWebサイトにある共同ブランドページを表示します

という、わかるようなわからないような直訳調の解説があり、その下に「シマンテック社のライセンスWebサイト」へのリンクがある。このリンクをクリックすると、Webブラウザが起動して、地域/国家を選択するWelcome to the Customer Renewal Centerなるページが表示される。

ここで、「日本」をクリックすると、シマンテックストアの「ようこそ!ThinkPadとThinkCentreをお使いのお客様」というページが表示される。ここには、

お使いのパソコンに付属しているSymantec Client Security 3.0 バンドル版は、90日間無償でご利用いただくことが出来ます。無償期間以降、引続きウイルスやハッカー等からパソコンを守るためには、下記製品をご購入ください。

という表記がある。僕が知りたかったのは定期講読サービスを延長する方法だったのだが、それに関する説明は一切無い。あるのはSymantec Client Securty (以下、SCSと略記)3.0と3.1、そしてNorton Internet Security(以下、NISと略記)2007の情報だけだ。

しかも、ページの下部には、「インストールについてのご注意」として、

新たに購入された Symantec Client Security 3.0 Business Pack もしくは Norton Internet Security 2007 をインストールしていただく際は、ご利用中の Symantec Client Security 3.0 バンドル版をアンインストールしてださい。なお、付属している Symantec Client Security 3.0 バンドル版と製品版 Symantec Client Security 3.0 Business Pack は製品内容が異なります。

という注意書きがあった。T60にバンドルされたSCSでは、更新サービスの延長だけを購入することはできず、ウィルス定義ファイルを更新しつづけるには、あたらしく製品を買うしかない、ということだろうか。

SCSの最新バージョンは3.1だが、こちらは5ユーザーからのライセンスしか存在しない。SCS 3.0は1ユーザーから利用できるが、法人向けの製品であるせいか、価格は23,100円(税込)と非常に高い。個人ユーザーに対する現実的な選択肢はNIS 2007だけということになる。そこでひとつ目の疑問。

Symantec Client SecurityとNorton Internet Securityはどこが違うの?

上のページから、SCS 3.03.1、そしてNIS 2007の製品詳細ページを読んでみたが、SCSは管理サーバからの一元管理が可能らしいこと以外、ふたつの製品が技術的にどのように異なるのか、さっぱりわからない。SCSの説明はシンプルにすぎるし、NIS 2007の解説は華々しい謳い文句が並んでいるだけで具体性に欠ける。

ページ左上のSymantecのロゴをクリックしてサイトのトップへ移動し(※実際には違うのだが、このときはそう思っていた)、[個人/ホームオフィス]の下にあるNIS 2007Norton Personal Firewall 2006の製品情報ページをチェックしてみたのだが、こちらでも機能が適当に箇条書きされているだけで釈然としない。スクリーンショットすら皆無に近い。いちばん情報が詳しいのがPDFのカタログなのだからげんなりしてしまう。それなのに、アワードやレビューだけはご丁寧にも列挙されている。なんだか海外サイトを訳しただけの代物みたいだ。

カタログから見えるNorton Personal Firewall (NPF) 2006の画面は、T60にインストールされたOEM版のSymantec Client Firewall (SCF) とよく似ている。ただ、項目の数はNPF 2006のほうが多いようだ。SCFはNPFのサブセットなのだろうか? 価格からすると上位製品のように思えるが。そういえば、さっきのページに「製品内容が異なります」という表記があった。OEM版だからサブセットなのか?

SCSとの比較も簡単にはいかない。というのは、SCSは法人向けの製品に位置づけられているので、こちらの製品情報は、[小規模企業のお客様][企業・法人のお客様]カテゴリの下に分類されているからだ。移動するだけで面倒だし、おまけに、小規模企業向けのサイトと企業・法人向けのサイトで書いてある内容が微妙に違う。微妙に違ってはいるが、具体性に欠けるのはおなじなので、情報量はまったく増えない。迷路に入りこんだ気分だ。

日本語サイトと北米サイトで書いてあることが違う

北米サイトならもっとくわしい説明があるかもしれない。最初の地域選択ページに戻って、United States用のサイトにアクセスしてみた。

表示されたのは、Symantec Online Storeの、SCS 3.1への購入をうながすページ。ここに書いてあることが、日本のサイトとはまるで違う。まず、1ユーザーライセンスが69ドルで販売されているし、更新方法も異なる。

日本のサイトでは、OEM版をアンインストールしてから製品版をインストールせよと書かれていたが、北米サイトでは、

After purchase, you will receive a packaged product. You only need to enter your license key into the pre-installed product already on your system in order to continue using Symantec Client Security no additional product download or installation is required.

と説明されている。あらためてパッケージを購入する必要はあるが、パッケージを受け取ったあとで必要なのは、プレインストールされたSCSにライセンスキーを入力することだけで、追加のダウンロードやインストールは必要ないとある。

北米版と日本語版では、ThinkPad T60にプレインストールされているSCSの構成がそもそも異なっているのかもしれないが、それにしても北米の対応はシンプルで魅力的だ。NIS 2007とほぼ同等の価格でSCSを使い続けられる上に、再インストールの必要もない。日本でも同じ対応をしてくれればいいのに。

サイトがいくつもある

さて、北米サイトでは、NIS 2007やSCS 3.1はどのように解説されているのか……と、ページ左側のクイックリンクをたどっているうちに、変なことに気がついた。このサイトで紹介されているのは、個人/ホームオフィス向けのNorton製品だけなのだ。サイト左上のSymantecのロゴをクリックして表示されるホームにも、SCSの名前はない。

URIを確認してみると、ドメイン名はwww.symantecstore.comとある。はて、さっきの日本語サイトのURIはwww.symantec.com/jpだったような……。ともかく、URIを根元まで掘ってみると、Home & Home Office/Small & Mid-Sized Business/Enterpriseのカテゴリが表示された。

Home & Home Officeのサブカテゴリからは、ほかのカテゴリに移動できないようになっているのだろうか? 首をひねりつつリンクをたどると、ますます首を捻りたくなる事態におちいった。こちらからアクセスできるオンラインストアのURIは、shop.symantecstore.comになっていて、サイトのデザインからして全然違う。

あきらめて日本のサイトに戻り、リンクをクリックしつづけていると、また別のオンラインストアがあらわれた。こちらのURIはwww.symantecstore.jpだ。僕が見つけただけで、

と、日米サイトともに商品紹介/販売のために2種類のサイトが用意されており、しかも北米のsymantecstore.comにはふたつのデザインが用意されていることになる。どこかのサイトに詳しい情報が記載されていないかと、ひとつひとつのサイトをチェックしてみたが、同じようで微妙に違う宣伝文句が並んでいるだけ。ますます混乱してきた。

更新サービスの延長はほんとうにできないの?

うんざりしながら日本のシマンテックストアを移動しているうちに、更新サービスの延長というページを見つけた。ここには、

更新サービスは1年間(パソコン付属ソフトの場合は90日間)は無償で受けることが出来ますが、以降は有償となります。尚、「更新サービス」中に「更新サービスの延長キー」をご購入いただいた場合は、現在の「更新サービス」の期限に1年間の日数が追加されます。

(中略)

シマンテック製品判別ツール」がお客様のパソコンにインストールされているシマンテック製品を探し出し、継続してウイルスやハッカー等から守るために必要な商品をご案内します。下記の「お使いの製品を判別」ボタンをクリックしてください。

という記載がある(強調は引用者による)。このツールはT60にインストールされたOEM版SCSをどう判断するのだろうか。IE5.5以上に対応と言うことなので、プレインストールされているIE6.0でアクセスしてみた。

結果、自動判別に失敗。手動選択の一覧を見てみるが、表示されるのはNorton系の製品だけで、SCSの名前はない。しかし、バンドル版のNorton系製品であれば対象とされていることがわかる。

前述の通り、シマンテックのサイトではホームとビジネス系製品が分離されているので、ビジネスストアにならSCSの更新サービスの情報があるかもしれない。ビジネスストアに移動し、しばらくヘルプシステムと格闘してみた。……が、やはり、めぼしい情報は見つからない。さんざんシマンテックのサイトと格闘してわかったのは、このサイトは僕の混乱を解きほぐしてくれるために存在しているわけではないらしい、ということくらいだ。

そもそも、なぜSCSがプレインストールされているんだろう?

ThinkPadは企業や法人を強く意識した製品なので、セキュリティ用ソフトウェアとしてプレインストールされているのが、おなじく法人向け製品Semantec Client Securityであるのは、一見正しい判断であるように思える。北米のように、OEM版SCSから製品版へのストレートな更新パスが提示されていれば、この判断はまさしく正しい。

しかし、日本の場合、前述の通り、プレインストールされているSCSは、正規版より機能が制限したバージョンであるらしい。また、SCSを使い続ける企業ユーザーであれ、NISに乗り換える個人ユーザーであれ、いちどSCSをアンインストールして製品を再インストールしなければならない。

バンドル版SCSでは、更新サービスの延長は不可能だが、バンドル版NISであれば、そのまま更新サービスの延長が可能らしい。それならば、おなじシマンテック製品を採用するにしても、Norton Internet Securityがプレインストールされていたほうが、個人ユーザーにとってはよほど有益ではないだろうか。いっぽう、SCSの使用が想定される法人ユーザーの場合、どちらにせよアンインストールと再インストールを迫られるので、プレインストールされているのがSCSであれNISであれ、手間は変わらないはずだ。

Norton Internet Security 2007の評判を見る

ともあれ、日本の個人T60ユーザーがプレインストールのSCSと類似の環境を使い続けるには、NIS 2007に乗り換えるのが、唯一の現実的な選択肢であるらしい。それではと、NIS 2007の情報を探ってみたが、これがすこぶる良くない。Amazon.co.jpのユーザーレビューでは、「以前のバージョンより軽くなった」という声があるものの、「以前のバージョンより機能が削られている」ことが酷評されている。

2ちゃんねるセキュリティ板のノートンインターネットセキュリティスレッドによると、NIS 2007では、

・場所に基づきセキュリティポリシー(プログラム制御等)を変更する機能。
・リアルタイムに通信状況やプロセスなどを分析してグラフと表で視覚的に表示する機能。

が削られているという。こともあろうに、僕が気に入っていた機能がことごとく無くなっているらしい。

とはいえ、シマンテック公式サイトのNIS 2007の製品紹介には、

ノートン・インターネットセキュリティは接続しているネットワークを自動的に検出してセキュリティ設定を最適化します。空港やカフェなどの公共の無線LANなどでは他のコンピュータからの接続を遮断。自宅やオフィスなどのプライベートネットワークではコンピュータごとに通信の許可または遮断の設定ができます。通信が許可されたコンピュータ同士ではファイルやプリンタの共有が可能です。また、自動のセキュリティレベルを利用したくないときは自分で設定を変更できます。

という記載があるので、セキュリティポリシーに関する機能が完全に削られたわけではないようだ。NIS 2007では、いろいろな機能が自動化された流れで、機能が意識されず、実際には存在する機能が「ない」とレビューされることがあるという話なので、セキュリティポリシーに関する情報の矛盾も、もしかしたらこの類いなのかもしれない。

また、アマゾンに投稿されたレビューのひとつによると、メーカー製PCの起動が遅い理由のひとつは、プレインストールされているNISにあるのだそうだ(そう言えば、以前そんな話をどこかで聞いたことがある気がする)。NISをアンインストールするだけで驚くほど起動速度が改善されるので、これを「ノートンショック」と呼ぶのだとか。SCSのLive Updateの期限が切れたら、アンインストールして速度の違いを試してみることにしよう。


Semantec Client Securityを使い続けてみようというのがもともとの意図だったはずなのに、調べているうちに、シマンテック製品を購入して使い続けたいという意欲は、いつのまにか非常に薄くなってしまっていた。うんざりというか、とにかく徒労という感じ。このために何時間も浪費してしまった。



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