Civ3はどんなゲームか

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ジャンル:
Sid Meier's Game
シリーズ:
種類:
データ/資料
最終更新:
2004年08月30日 22時25分
シリアル:
2003-12-01-02

Civilizationの概要

Civilization IIIについて説明する前に、まずCivilizationというゲームの概要について説明します。

歴史の中で他の文明と争いながら自分の文明を育ててゆくゲーム


Civ3タイトル画面のスクリーンショット

Civ3のタイトル画面。背景のバベルの塔は階層ごとにデザインが異なり、上の層になるほど時代が進んでいる。

Civilization (シヴィライゼーション・以下Civと略す) は、プレイヤーが文明を率いる指導者となり、他の文明と時には争い、時には協力しながら歴史を通じて自分の勢力を成長させてゆく、ターン制の戦略ゲームです。

Civilizationと呼ばれるゲームはいくつか存在しますが、ここではSid Meierがゲームデザインを行なった一連のコンピュータゲームのことを指します。その他のCivilizationの種類と差違については、このサイトのSidGame FAQに説明があります。

歴史知識は「あれば楽しい」というくらいで必須ではない

ゲームは人類の歴史、特に西洋史をベースにしていますが、歴史知識は「あれば楽しい」という程度で必須ではありません。知識がなくても十分に楽しむことができます。

ターン制


Civ3マップ画面のスクリーンショット

Civ3のマップ画面。方形のスクエア上にユニットや都市が散らばっている。

Civはターン制のゲームです。プレイヤーとコンピュータが交互に操作を行ないます。

タイル型のマップ

マップは方形のタイルから形成されています。プレイヤーはタイルの上でユニットを動かし、都市を建設し、地形を改良します。

ランダムマップ中心


Civ3ランダムマップ作成画面のスクリーンショット

Civ3のランダムマップ作成画面。世界の大きさや陸地の形状・海面率等を細かく指定することができる。

Civでは通常、ランダムに作成されたマップ上でゲームをおこないます。ランダムマップ作成機能には多岐にわたるオプションがあり、さまざまな形状のマップでゲームをプレイすることが可能です。

マップやシナリオ


Civ3シナリオエディタ画面のスクリーンショット

シナリオエディタ画面。ゲームのルールを変更したり、マップを製作することができる。表示されているのはRYO氏の手による日本地図マップ

Civ3にはシナリオエディタも同梱されており、このエディタを使って製作された世界地図ベースのマップが大小2種類付属しています。また、インターネットではユーザーによって作成されたマップやシナリオ、独自のルールセットが数多く配布されています。

ゲームの要素

ゲームの中心となる要素は都市とユニットです。

都市


Civ3都市画面のスクリーンショット

都市画面。ほとんどの要素がアイコンで視覚的に表現されている。

都市は文明の中心的要素です。都市は文明と領土の基本単位であり、収入源であり、ユニットの生産拠点となります。

プレイヤーは都市の人口を増やし、ユニットを生産し、都市施設や不思議を建設して都市の能力を向上させてゆきます。

ユニット

ユニットはマップ上を移動して探索や他の文明との戦闘、地形改善や新らしい都市の建設を行ないます。

テクノロジー


Civ3技術ツリーのスクリーンショット

技術ツリー。技術の開発状況や技術同士の繋がりを確認できるほか、技術の詳しい説明を表示させることもできる。

文明は、様々に分岐したテクノロジーツリーを辿る形で筆記・鉄器・地図等の技術を開発していき、人類の進歩に不可欠な、新しい建築物やユニットの生産能力を手に入れてゆきます。

外交


Civ3外交画面のスクリーンショット

COM文明と和平交渉中。条約・金銭・技術・資源・都市等の条件を自由に組み合わせて要求・提案できる。

他の文明とはただ戦争で争うだけでなく、時には軍事同盟を結んで協力しあったり、技術や資源を交換して利益を共有したりもします。

AoEとの関連

歴史を舞台にして他の文明と争う戦略ゲームというと、最近ではAge of Empires (AoE) シリーズが非常に有名です。

AoEのルーツはCiv

AoEはCivをルーツとするゲームであり、両者のコンセプトは色々な点で似通っています。

例えばAoEの時代区分とテクノロジーツリーの概念はCivに由来するものです。一方、Civ3に登場した文明固有の特殊ユニットは、CivがAoEシリーズから影響を受けて導入したものでしょう。

そもそもの成り立ちから言うと、「CivがAoEに似ている」と言われるのはCivファンとしては心安らかでない部分もあるのですが、現在のAoEシリーズの知名度の高さを考えると、CivとAoEを比較して相違点を拾い上げるのは、Civというゲームのイメージを把握して貰う上では有益な作業だと言えるでしょう。

AoEとの相違点

リアルタイムでない

まず、AoEはリアルタイム制ですが、Civはターン制のシステムを取っています。Civでは1ゲームあたりの総プレイ時間はAoEよりもかなり長くなります。

カバーする範囲が広い

AoEシリーズは作品ごとにカバーする時代が限定されていますが、Civは古代から現代に至る人類の歴史をすべて網羅しています。

戦闘中心ではない

AoEは多様なユニットを大量に生産して他文明と戦争を行なうのがゲームの中心になりますが、Civでは戦闘はゲームの要素の一部でしかありません。極端な話、戦闘を一度も行なわずにゲームに勝利することすら不可能ではありません。

ユニットと戦闘が抽象的

CivのユニットはAoEと比べると抽象的な存在で、具体性よりも凡的なイメージを優先したものになっています。

戦闘は攻撃側と防御側ユニットが1対1で行ない、マップ上で即座に解決されます。戦闘はラウンド制で、基本的にはどちらかの側が倒れるまで続きます。

外交による駆け引き

CivではAoEに比べて複雑な外交が可能です。

他国の指導者と会談して撤兵や金銭を要求したり、相互防衛や第三国に対する通商停止条約に調印することができます。交渉卓に金銭・資源・技術をはじめとするさまざまな条件を組み合わせて提示し、合意に至るまで交渉を繰り返すことも可能です。

多様で複雑なテクノロジーツリー

CivとAoEは両方テクノロジーツリーのシステムを持っていますが、CivのテクノロジーはAoEよりも多種多様で、ツリーの構造も複雑です。

箱庭的要素

Civでは、都市に市場や図書館のような建造物を追加したり、地形に道路を引いて灌漑を行ない、生産力を向上させるという箱庭的な要素も重要な位置を占めています。

不思議

都市建造物の一種として、世界にひとつしか存在できず、強力な効果を発揮する「世界の七不思議」を建設することができます。不思議の建設には大きなコストと時間がかかるので、各文明はどこが一番早く不思議を建設するかという競争でしのぎを削ることになります。

シングルプレイ中心

AoEがマルチプレイでの対戦を重視しているのと対照的に、Civはシングルプレイをメインに考えたゲームデザインになっています。

Civのバリエーションの中にはマルチプレイに対応したものも存在しますが、今までは、マルチプレイはCivの中ではおまけ的な要素であるという印象は拭えませんでした。

Play the World

Civ3にはマルチプレイ機能はありませんが、拡張パックである Civilization III: Play the World (PtW) で、LAN・インターネット・PBEMとホットシートによるマルチプレイ機能が追加されています。

昔話

Bruce ShelleyはCiv1のメインスタッフ

そもそも、AoEシリーズのデザイナーを勤めたBruce ShelleyはCiv1のメインスタッフでした。彼がMicroproseを去ってEnsemble Studiosを設立し、製作したゲームがAoEシリーズです。

Brian ReynoldsとRise of Nations

一方、Civ2とSMAC/Xのリードデザイナーを勤めたのはBrian Reynoldsという人物ですが、彼もまた後にSid Meierの元を去り、現在はBig Huge Games (BHG) という会社に勤務しています。BHGの製作したはじめての作品がRise of Nations (RoN) です。

RoNは、一見AoEシリーズによく似た外見を持ち、CivやAoEと同じように歴史を舞台にするリアルタイム制の戦略ゲームです。

RoNはゲームに登場する概念の多くをCiv3と共有しています。AoEをCivをベースに色々なアイディアを付け加えたゲームとするなら、RoNはCiv3と同じルーツから生まれ、RTSの先達たるAoEから多くの要素を学んで成長させたものだと言えるかもしれません。

Sid Meierの元を去った二人が、両者ともCivからの強い影響を感じさせるアルタイム制のゲームを製作しているのは、ターン制のゲームに限界を感じ、リアルタイム制のゲームに新しい可能性を感じたからでしょうか。それともSid Meierとは別のアプローチをとりながら、歴史的な戦略ゲームをつくってみたいという願望があったのでしょうか。

一方、Sid Meier自身は、他のゲームではリアルタイムのシステムを活用しながらも、Civシリーズに関してはターン制のシステムを守り続けています。彼にとっては、ターン制のゲームはいまだに発展の可能性を残したものなのかもしれません。

なぜこんなに「はまる」のか

Civというゲームの魅力はどこにあるのでしょう。多くの人々を寝食を忘れるほど夢中にさせ、社会生活に支障を来たすまで虜にする力はどこから生まれるのでしょうか。

意思決定の質と粒度

Civでは、意思決定を行なう単位が明確で、また一度に一つづつ意思決定を行なってゆけばいいようにデザインされています。ひとつの単位ごとの選択肢は限定されており、決定の内容自体も単純です。

具体的に言うと、Civにおける意思決定の基本的な単位は個々の都市とユニットで、その上に文明全体としての意思決定という層があります。

一度に一つ

一度に命令を下すことができる対象は1つの都市、あるいはユニットだけで、ある単位に命令を下している間、他のものはすべて動きを止めています。反射能力は全く必要なく、プレイヤーは時間に追われずに安心して決定を下すことができます。

選択は単純

一つ一つの選択自体は非常に単純で、またゲームが進行するにつれて徐々に選択肢が増加する仕組みになっています。

また、選択肢と効果の関係も、なるべくユーザーが直感的に判断でき、またそのその直感を裏切らないように選択されています。

単位ごとの役割が明確

軍事ユニットの役割は戦闘、労働者ユニットの役割は地形改善というようにはっきりと設定されており、ユニットをどちらに移動させるか、どの地形改善を建設させるかで悩むことはあっても、そのユニットの能力がわからなくて迷うことは極力ないように設計されています。

選択肢のバリエーション

単位ごとに選択肢の質が全く異なることも特徴です。例えばユニットの行動を決定するときと都市の建造物を決定するときでは、全く種類の異なった選択を迫られます。また、同じユニットの中でも、軍事ユニットと生産系ユニットでは行動の方針が全く異なります。

もう一段階上、文明全体の税率や研究する技術を決定する際の選択肢も、ユニットや都市を扱うときとは全くの別物です。

Civでは一つ一つは単純な、しかしバリエーションに富んだ意思決定が積み重なることで、複雑で奥深いゲーム性を作り上げているのです。

明確な成果

何かを達成した成果に大きくわかりやすいものが多いのも、Civの特徴の一つです。これは、ご褒美に関して気前がよい、と言い換えてもいいかもしれません。

成果がすぐに発揮される

Civではプレイヤーの達成が即座に効果を発揮します。例えば都市に市場を建設すればそのターンからその都市の金銭収入が増加し、寺院を建設すれば幸福な市民の数が増加します。効果が出るまで何ターンも待つ必要はありません。

成果が大きい

また、達成は目に見えて大きな効果を発揮します。何かを達成したのに効果が見えずにがっかりすると言うことはめったにありません。

成果が目に見える

Civでは画面にグラフィックやアイコンが多用されており、プレイヤーに取っつきやすい印象を与えると同時に、情報をなるべく視覚的・直感的に確認することができるようにデザインされています。

このように、一つ一つの達成の効果を直截的に画面上で確認できることも、プレイヤーの達成感・満足感を増幅させています。

ペナルティがない

Civでは大抵の選択にペナルティがなく、ペナルティがある場合でも、正の効果をすべて打ち消してしまうほど大きくはありません。なにかを選択したことによる最大のペナルティは、他の選択肢を選んだ場合に得られたであろう利益を手に入れられないことであって、それ以上にユーザーの行動を縛るペナルティは原則的には存在しません。

Civでは、民衆を強制労働させて次々と死に至らしめる暴君になるのも、手当たり次第に核兵器を発射して他の文明をすべて死滅させるのも、プレイヤーの自由なのです。

不思議


Civ3の不思議完成画面のスクリーンショット

Civ3では、不思議を完成させると効果音とともにこのような大きな一枚絵が表示される。

この「ごほうび」のもっとも良い例が、Civの特徴の一つである「世界の七不思議」です。

大きな労力

不思議の建設には非常に大きな、通常のユニットや都市施設とは比べ物にならないほどの労力が必要です。

視覚効果

Civ2の不思議完成ムービーのスクリーンショット

Civ2では、不思議を完成させるとこのような不思議に関連したムービーが表示されていた。

不思議を建設すると、不思議に関連したグラフィックやムービーが表示され、プレイヤーの達成感を盛り上げます。不思議を建設した都市の名前は世界の不思議を一覧にした画面から確認することや、都市の景観からは不思議の姿を眺めることができます。

劇的な効力

不思議の効果はどれも劇的で、建設できれば他の文明に対する大きなアドバンテージを得ることができます。

負の効果がない

不思議はプレイヤーに利益をもたらすだけで、負の副作用を持った不思議は存在しません。(例外的に、核兵器の建設を可能にするマンハッタン計画の不思議は負の副作用を持っていると言えるかもしれませんが)

もちろん、不思議を建設していなければその分の労力を他に回すことができたでしょうが、それはあくまでもプレイヤー自身の選択にまかされているのです。

状況の変化

ユーザーの意思決定はゲームの状況を変化させ、最適な選択肢は変化してゆきます。また、何かを選択した結果として新しい選択肢が生じる場合もあります。

例えば、海沿いに新しい都市を建設した場合、その都市を発展させるには平地や砂漠の都市とは別の戦略が必要になるかもしれません。技術を開発して新しい都市施設が建設可能になった場合、これまでの定石を捨てて新しい建設プランへ移行したほうが利益が大きい場合もあるでしょう。

このように、プレイヤーの入力に対するフィードバックで新しい選択肢が現われ、最善の選択肢が刻々と変化することもCivの魅力なのです。

一方、選択肢が増加しても、一つ一つの意思決定の難易度自体が上昇するわけではありません。

選択肢の数はプレイヤーが混乱せず、かといって飽きもしない速度で徐々に増加してゆきます。また、新しい選択肢は大抵前の選択肢よりも良い効果を持つので、プレイヤーは新しい選択肢の出現を厭わず、むしろ歓迎します。

まとめ

このように、一つ一つは単純だがバリエーションに富んだ意思決定、プレイヤーの入力に対するフィードバックによって新しい選択肢が追加され、最善の選択肢が変化し続けるような意思決定が常に目の前にあり、しかもそれらを急かされずにプレイヤーの好きなペースで解決してゆけることが、Civの最大にして最高の魅力であり、それこそが多くの人々を虜にする要因なのです。

自由度の高さ

また、Civは極めて自由度の高いゲームで、決まったストーリーや攻略法はありません。攻略法を披露している人はたくさんいますが、どの攻略法も、必ずと言っていいほど他とは違った部分を含んでいます。

主張が違うからと言って、どちらかが間違っているかと言うと必ずしもそうではなく、どちらの方法もそれぞれに有効である場合も多いのです。

COMと人間のバランスをいかに崩すか

Civで勝利するポイントは、COM文明と人間のあいだのバランスをいかに崩すかという点にあります。何で崩すかは様々で、例えば都市数・ユニットの数や質・科学技術・経済等の競争のいずれか(大抵は前述のいくつかの組み合わせ)でCOM文明を凌駕することで勝利への道筋を掴むことになります。

この中でおそらく一番の正攻法は、都市数、つまり生産拠点とマップ上のタイルの支配数でCOMを凌駕する方法でしょう。

土地取りゲーム

非常に極端な形で言いきってしまうと、Civとはいかにしてより多くのマス目を自分の領土にするかというゲームと言えます。

Civにおいて、タイルは土地と文明のすべての生産力の源です。Civとは、より多くの土地タイルを得た文明がより多くの力を持つゲームなのです。

多くの土地を得るために開拓者を生産し、所有する土地を守り、新しい土地を得るために軍事ユニットを活用し、労働者ユニットを使って土地の生産力をあげ、都市に施設を建設することで収入を増加させ、新しい施設や地形改善・質の高いユニットを生産するために新しい技術を開発します。

従来のCivシリーズではこの土地 = 力というシステムに対抗して、OCC(One City challenge──都市一つで宇宙勝利を目指す)という制約を課してゲームに挑戦する人もいました。Civ3では資源のシステムやAIの改良と相まって土地取りの重要性が非常に増し、OCCのような挑戦の難易度は極度に上昇しています。

その他

Civ3の実際のプレイの様子を見てみたくなった方には、stack-style.orgの織田家の野望もお役に立つかもしれません。織田家の野望は、Civ3のふたつめの拡張パックであるCivilization III: Conquestsに付属している9本の征服シナリオのひとつ、戦国シナリオのリプレイです。